協会理念

 日本メンタルヘルス講師認定協会は、高度なメンタルヘルス講師の養成とレベルに応じた適切な認定を行うことで、協会認定のメンタルヘルス講師の資質を確保し、常に質の高い効果的な研修を行うことによって、我が国のメンタルヘルス研修の普及・促進を図り、メンタルヘルス不調の防止と適切な職場復帰の促進、さらには労働者の働きがいと生産性向上により企業経営に寄与することを目的としています。
また、協会認定のメンタルヘルス講師としての認知度向上と社会的地位を高め、確立した専門家として成長し続けられるように支援します。

協会設立背景

 現在、多くの職場で労働者のストレス、および心の健康問題が深刻化しています。

 メンタルヘルス不調は、本人にとって仕事や職場での不適応状態と、より一層の疾病的なリスクを高めてしまいます。さらには、退職に追い込まれたり、再発しやすいことや自殺への危険性を有していることは周知のとおりであり、従業員の人生に大きな影響を与えていることは疑いのない事実です。

 一方では、メンタルヘルス不調者を抱える職場でも様々なリスクが生じています。労働力の損失に加え、職場活力の低下や士気低下が起こり、周囲の負担も高まることによって組織の業績にも影響しています。さらには、労災申請と認定の増加、安全配慮義務違反による民事上の損害賠償請求訴訟も増加し、賠償命令の高額化や企業イメージの低下などのリスクマネジメントは、今や必須の経営課題ともなっています。

 そのような中、労働者個人にとっても、経営上からもメンタルヘルス対策を推進することが求められており、企業においてもラインケアやセルフケアなどのメンタルヘルス研修を実施する事業場が増えてきています。その取り組み自体は喜ばしいことですが、一方ではメンタルヘルス研修の質や講師の質の問題が急浮上しています。

 メンタルヘルスは、精神医学、心理学、法律的な解釈、組織や産業心理学、キャリアデザイン、部下への相談対応、職場環境改善、職場復帰支援、リラクセーション、コミュニケーション、モチベーションなど多くの領域にわたります。それぞれの専門性から、精神科医や産業医、保健師や看護師、カウンセラーや臨床心理士、精神保健福祉士、弁護士、人事部門、衛生管理者などのように様々な領域の人たちが研修を実施しています。

 90分程度の一つのテーマに即した研修であれば、その専門性が活かせることができますが、1日研修など体系的に内容を理解する研修では、自分の専門外の領域までカバーする必要があり、必ずしも質が保てるものばかりではないのが実情です。

 そこで、講義で必要とされる知識水準、講座を効率的かつ効果的に進められる講師力を備えていることを認定することで、メンタルヘルス研修講師として資質を確保でき、安心して認定講師に研修を依頼できることにより、我が国におけるメンタルヘルス研修の普及・促進に寄与することができるのではないかと考え、さらにメンタルヘルス研修講師として確立した専門家として成長し続けられる機会を提供しうる独立した認定団体を設立することとしました。